三澤ブログ(アンリアル)

漫画・映画・ゲームにアニメ、都市伝説に陰謀論。現実世界で疎まれる「もうひとつの現実(=UNREAL)」から、世の中を見つめ直します。

アイアムアヒーローの考察(久喜のクルスと箱根のZQN編)

ビックコミックスピリッツで連載中の、花沢健吾アイアムアヒーロー』。実写版もいよいよ上映間近ですね。

 

当初は日本を舞台にしたゾンビホラーだったのが、いつのまにか世界を巻き込んだ壮大なパラダイムシフトへ移行しているこの作品には思う所がいっぱいあって、毎週この作品に関するネタバレ&感想をTwitterへぶっ込んでいるんですが、ここいらで一度、頭の中でゴチャついている考察についていくつか整理してみたいと思います。

 

では、コミックス派の人はココでひとまずお別れです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず『クルス』とは。

主人公である英雄と比呂美、そして「薮」こと小田が東京を目指して出発した頃から、この作品は他の地域にいる生存者にもスポットライトが当たり始めます。

パニックは東京や御殿場だけかと思いきや、ZQNに抗う者たちが都心から離れた埼玉の久喜にもいたわけです。

しかもそこにいたのは、人間離れしたパフォーマンスで読者たちを魅了する狂気の男たちだったのである………。

 

事の詳細はもうご存知かと思うので、久喜の半感染者たちの生態についてそれぞれまとめます。

 

 

《来栖》

重度の引きこもり

感染した母親をバットでフルスイングする動画をネットに流し、ネット上の生存者たちを煽る

●精神年齢は低いが凶暴

能力:周囲のZQNの動きを操作する

 

《軍用スコップの男》

●久喜の生存者一行(のちの久喜幕府)が、城(キズキ)の家族が避難しているとされる中学校で遭遇

リア充

●冷静かつ残忍

能力:ZQNの無力化

 

《崇》

登校拒否のち引きこもり

ZQNと化した母親の首を来栖に唆され切断

●温和な性格(“共食い”時、羽生富貴子を殺した来栖に激怒する良心はあった)

能力:???

 

文字の青くなってる部分がありますが、その項目は「半感染者(クルス)化するための必須条件」とおぼしき要素です。

つまり、

(1)リア充要素ゼロ

(2)家族など大切な人を手に掛ける

 

という条件が、感染者と半感染者を分かつ前提になるわけです。

 

また、(2)の家族“など”というのは、比呂美が紗衣を撃った事や英雄が徹子にとどめを刺した事を含む、という意味になります。

 

また比呂美と英雄についていえば、比呂美は彼氏や(形式的とはいえ)友人がいたのでコミュニティから完全に孤立していたわけではなく、英雄にも職場の同僚や徹子、そして矢島がいました。

だから非リア充とはいえ、日常の中にあるリア充要素が二人の極端な半感染を妨げていたのでしょう。

 

しかし、親の過保護によって無気力に育ってしまった英雄。性的虐待まがいの傷を心に負う比呂美。

なので、リア充要素ゼロ=暗い過去を背負っている と言うほうがより具体的かもしれません。

 

その結果、ひとつの終着点として比呂美は横浜で巨大なZQNに呑み込まれてしまいましたし、そもそもコミック9巻の表紙ではなぜか下着姿になっています。女の子なのでさすがにブリーフ一丁はマズかったんでしょう。

 

そんなわけで、晴れてクルスフラグ絶賛ビンビン中の英雄についても触れていきます。

 

 

英雄を丸呑みしたアイツは誰だったのか?

以前、箱根湯本で混浴風呂を堪能するはずだった英雄が、これまで出てこなかったタイプのZQNに突如ガッツリ食われてしまい何やかんやありましたが、ひとまずあの件について。

 

「いったい何だったんだアイツは……」という読者もいると思いますが、まず考えられるのはあのZQNは英雄の能力開花を伝える存在だったという事です。

たとえば、半感染者としての英雄に宿った能力が「身近にいるZQN同士を融合させ、より強いボディーガードZQNを作り出す」とか。塊魂女神転生みたいな感じですかね。

 

そして、元々あの融合ZQNは生前ホームレスだった説もあるんですが、箱根湯本にホームレスっているんですかね?小田急線沿いに住んでますけどあの辺ですよ。

なので、もしホームレスだったとしたら、彼(融合ZQN)は箱根以外の場所で生まれたと思うんです。箱根までの道中で「寄せ集まった」というか。

近場で小田原、少々離れて平塚あたりですかね。“主”のためにそっから全力で走ってきた。

つまり、あのZQNが温泉へ突撃してくるよりも前から、英雄の能力は既に発動していた可能性があります。しかもジョジョでいう「射程距離」の長い、かなり広い範囲まで拡散するような能力だったのではないかと。そんな気がします。

 

先ほどの話に戻るんですが、自分で言っておいて“ボディーガード”というのも語弊があると思っていて、現在、小田原城で生まれたあの巨大なZQNの肉塊が、英雄の護衛以外の行動をとっているわけで、まぁ直接英雄たちを攻撃しなかったのは幸いなんですが、どうも引っ掛かる。

もう既に最新話をお読みの方はご存知の通り、比呂美があの巨大な肉塊へ呑み込まれてしまい、英雄がいよいよ都内へ殴り込むというアツい展開なんですが、それ以前に比呂美が呑み込まれる原因を作ったのはもしかして……

 

……というワケなんです。もしそうだったら切ないですよね。でも花沢健吾だし。

 

 

世の中にウマい話なんてない。

結局、非リア充は幸せになれないのか…………

 

 

 

 

………いや、まだ希望は残っています。つづく。